18.4. バイオーム
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陸上バイオームの植生タイプや水中バイオームの物理的環境によって特徴づけられている 水中バイオームは、地球表面の約75%を占めて、塩分やその他の物理的要因によって決定される 海洋バイオーム(大洋、潮間帯、サンゴ礁、河口域)の塩分は、一般的に約3%程度 淡水域のバイオーム
淡水のバイオームは、地球の1%以下で、水の0.01%を含むにすぎない
しかし、淡水はそれとは不釣り合いな生物多様性を持っている 推定では、淡水中の生物種は全体の6%にも及ぶ
更に我々は、飲料水、作物の灌漑、衛生設備、産業のため淡水バイオームに依存している
淡水バイオームは2つの大きなグループに分けられる
湖と池
静水は、数平方メートルの池から、北前リカの五大湖のような数平方キロメートルの大きな湖まで大きな幅がある
湖や大きな池では、植物、藻類、動物の群集が、水深や岸からの距離に応じて分布している
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岸近くの浅い水や、岸から離れた表層
湖や池が十分に深く、あるいは濁っている
光の強さは弱く、光合成が行えるほどではない
すべての水中バイオームの底
砂、有機物や無機物の堆積物からなる
集合的に底生生物とよばれる群集によって占められている 有光層の生産的な表層水から「降ってくる」死んだ有機物が、底生生物の主要な餌の源になる
多くの湖や池は、下水や、施肥された芝地・農地から流出する窒素やリンの大量の付加によって影響されている
これらの栄養素は、しばしば藻類の大量発生を引き起こし、光の透過を減少させる
藻類が死んでそれらが分解されると、池や湖は深刻な酸素不足に陥り、高い酸素濃度の条件に適応している魚を死滅させる
河川
流水である河川は、湖や池とは全く異なる生物群集を支えている
河川は、水源と湖や海に注ぐ場所の間で大きく変化する
水源近くでは、水は一般的に冷たく、栄養素が少なく、透明
川幅はしばしば狭く、流れはとても早く、川底に多くの砂は堆積しない
水流は光合成プランクトンの成長も阻害する
水源近くで観察される生物のほとんどは、岩に着生した藻類の光合成や周辺の陸地から流入した有機物で支えられている 最も豊富な底生生物は、藻類や落葉やたがいを捕食する昆虫 マス類は優占することの多い魚で、透明度の高い水中で視覚によって昆虫を餌とする 河川の下流になると、一般的に流れは広く、緩やかになる
水は温かく、堆積物のため濁り、光合成プランクトンがそれを支える
泥に巣穴をつくる虫や昆虫が豊富になることが多く、そこでは、水鳥、カエル、ナマズや他の魚が、視覚よりも嗅覚や味覚によって餌を見つける 多くの河川は人間活動による汚染に影響されてきた
洪水制御や飲料水の貯水、水力発電を目的としたダムの建設によって、河川の改修も行ってきた
多くの場合、ダムは、流速や水量を改変し、魚や無脊椎動物の個体群に影響を与え、下流の生態系を完全に変化させた
湿原
水界生態系と陸上生態系の移行的なバイオーム
常にあるいは周期的に、水で覆われた湿原は水生植物の成長を支え、種多様性に関してはバイオームの中で最も豊か
湿原は、水が貯留される地域で洪水を減らし、堆積物中の金属のような汚染物質や有機化合物を吸着し、水質を改善する
湿原の生態学的、経済的な価値を認識することは、湿原を保全し再生するための政府や私的な努力を手動してきた
海洋のバイオーム
広大な海をながめると、海が地球上で最も均一な環境だと思うかもしれない
しかし、海洋の生育地は、夜と昼の違いと同じくらいの違いがある
熱水噴出孔がある最も深い海は永続的に暗い
対照的に、海面近くの生気に満ちたサンゴ礁は、完全に日光に依存している 海岸近くの生育地は、外洋とは異なる群集を養っている
淡水のバイオームのように、海底は、底生層として知られている https://gyazo.com/a90a227c6cea1f8dd724c6aabaf424db
外洋を含む
陸が沈むような浅い領域
有光層は漂泳層と底生層を含む
サンゴ動物は刺胞動物の多様なグループで、硬い外殻を分泌物で形成する 単細胞性の藻類は、サンゴの細胞の中に生育し、サンゴに食物を供給する
サンゴ礁の物理的構造や生産性は、きわめて多様な無脊椎動物や魚類を支えている
有光層は最大200mの深度まで広がっている
200~1000mでは光合成を行える十分な光はないが、いくらかの光は無光層の深さまで到達する
この薄暗い世界はときにトワイライト領域とよばれ、魅力的で多様な小さな魚類や甲殻類で優占されている 有光層からの食物の沈降は、これらの動物にとっての栄養物となる
さらに、それらの多くは、夜になると採餌のために表層に移動する
トワイライト領域のある魚は拡大した目を持ち、とても薄暗い光で餌を探すことができ、仲間や餌を誘引するための発光器官を持っている 1000m以下では、海は完全に常に暗黒
この環境への適応は、多くの奇妙な形態をした生物を産んでいる
しかし、食物は少ない
原核生物に依存した熱水噴出孔の生態系を除いて、動物の密度は低い 海洋環境は、海が陸や淡水と相互作用する特殊なバイオームも含む
海と陸が接する潮間帯では、満潮の間は岸が波で打たれ、干潮の間は日光にさらされ、風で乾燥させられる
岩礁潮間帯は、藻類やフジツボや貝のような多くの付着生物の生息地で、それらは岩に着生し流されないようにしている 川と海の移行帯
河口域の塩は、ほぼ淡水から海の塩分まで変化する
川からの栄養素を付加された水によって、河口域は、淡水の湿原と同様に地球上で最も生産性の高い領域となっている
カキ、カニ、多くの魚が河口域に生息し、そこで繁殖している 何世紀もの間、人々は海を限りのない資源とみなし、その恵みを収穫し、ゴミ捨て場として利用した
これらの行為は、地球上の人口が小さいときには、ほとんど影響することはなかったが、現在では、それらの負の効果が大きくなっている
河口域は陸に近いため、特に脆弱
多くの河口域は埋め立て開発によって完全に置換された
その他の脅威として栄養素の汚染、病原体や毒性のある化学物質による汚染、淡水の流入による改変、外来種の導入がある
サンゴ礁は多くの同じ問題にさらされている
広域的で大規模なサンゴ礁の死滅は、海水表面の温度の上昇に起因し、海洋酸性化もまた深刻な脅威 2008年のサンゴ礁のアセスメントによると、19%のサンゴ礁がすでに、それらの驚異の犠牲になっており、今の状況が続けば、残っているサンゴ礁の多くも2040年までに消失することが警告されている
気候が陸上バイオームの分布にいかに影響しているか
地球の全球的な気候パターンは、おもに、太陽からの放射エネルギーの入力の結果である
地球の曲率のため、地球は不均一な分布の太陽エネルギーを受ける
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太陽の直接放射で温められると、赤道の空気は上昇する
そして冷却され、雲を作り、雨を降らせる
赤道領域で水分を失った後、乾燥した高層の気団は、それが冷却されるまで、赤道から離れて広がり、北緯あるいは南緯30度くらいで、再び降下する 北アフリカのサハラ砂漠やアラビア半島のアラビア砂漠
熱帯と北極圏あるいは南極圏の間の緯度
一般的に、温帯域は熱帯や極地よりも穏やかな気候
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下降する空気の一部は、緯度30度よりも上に向かって進んでいる
最初、これらの気団は水分を受け取るが、より高い高度では冷却され雨になりやすい
これが、北や南の温帯域が比較的湿潤な理由
針葉樹林が優占するのは、湿潤な立地だが、北緯60度付近の冷涼な緯度体
大きな水域や山脈のような地形も気候に影響を与える
空気が温まり冷たい空気に熱を放出するときに、海や大きな湖は熱を吸収し気候を穏やかにする
山は2つの方法で気候に影響する
第一に、標高が上がるにつれて、気温は低下する
結果として、高い山を車で上っていくといくつかのバイオームを手っ取り早く巡見できる
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第二に、山は、海岸からの冷たく湿った空気の流れを遮断し、山脈の反対側に全く子男となった気候をもたらす
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太平洋沖の湿った空気が移動し、ワシントン州のコースと山脈にぶつかっている
空気は上昇し、高い標高で冷却され、大量の雨を降らす
この湿潤地域の生物群集は、温帯多雨林
空気がさらに内陸に移動しカスケード山脈で再び上昇したところで、降水量は再び増加する
カスケード山脈の東側ではほとんど雨がなく、雨陰として知られている 陸上のバイオーム
陸上生態系は、基本的に、植生タイプによっていくつかのバイオームに区分される
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植物は、それぞれのバイオームの動物やその他の生物の群集の基盤を形成し、食物、隠れ場所、営巣場所、そして、無機栄養物を循環させる分解者にとっての有機物の多くを供給する
植物すなわちバイオームの地理分布は、おもに気候に依存し、気温や降水量は、ある地域のバイオームの種類を決める鍵となる
もし、地理的に離れた2つの地域の気候が類似しているならば、両地域には同じタイプのバイオームが生じるだろう
たとえば、針葉樹林は、北アメリカ、ヨーロッパ、アジアの広い地域に広がっている 各バイオームには局所的な変異があり、植生は均一ではなく、不均一なパッチ状になる
たとえば、北方の針葉樹林では、降雪が枝や小さな樹木を折るため空き地ができる
局所的な嵐や山火事もまた、多くのバイオームに空き地をつくる
各バイオームは、特別な種の集合よりも、生物群集のタイプによって特徴づけられる
たとえば、北アメリカ南西の砂漠やアフリカのサハラ砂漠に分布する種のグループは、互いに異なっているが、両グループともに砂漠の条件に適応している 遠く離れたバイオームの生物がそっくりなのは、収斂進化が理由かもしれない https://gyazo.com/d17de966ddce8f03bc5055ba7a95b2b5
たとえば、温帯広葉樹林の生物は、幅広い気温変化に対応するための適応が必要である 一方、熱帯林の生物は、気温の変化をほとんど経験することがない 温帯広葉樹林の降水量の範囲は、北方性針葉樹林のそれと似ているが、北方性針葉樹林の気温より低い範囲は、両者のバイオームの非生物的な環境の有意な違い
今日、地球温暖化への懸念から、気候が植生パターンに与える影響について強い関心が集まっている 科学者たちは、衛星画像のような強力な新しい道具を用いて、バイオームの境界の緯度方向の変動、雪氷の被度の現象、生育期間の変化を報告している
同時に、多くのバイオームは、人為活動によって分断化され改変されている
熱帯雨林
1年を通して気温が暖かく、日中が11~12時間の赤道付近の領域に分布する
植生タイプは降水量で決定される
熱帯多雨林の階層構造は、多くの異なる生育環境を提供する 樹木の梢は、閉鎖した林冠を形成し、その下には1つから2つの亜高木層、そして低木の下層がある 暗い林床で生育できる植物はほとんどない
多くの樹木は、光に向かって成長する木性ツルで覆われている
ランのような植物は、高い樹木の枝や幹に着生して日光を獲得している 林冠の上にそびえる突出木は、散在的に分布する
多くの動物も樹木に住んでいる
他の熱帯林では、降水量はそれほど樹分ではない
乾季や雨の少ない季節のある低地で優占する
有棘性の灌木や低木や多肉性の植物の混合
雨季と乾季が明瞭な地域で一般的
サバンナ
気温は1年を通して温かい
降水量は年間平均300~500mmで、極端な季節変化がある
雷や人間活動による火事は、サバンナの重要な非生物的な要因
草本類は、成長点が地下にあるので、火事を生き延びる ある植物は、火事の後に発芽する種子をもつ
貧弱な土壌や水分の不足は、火事や草食動物の影響もあり、樹木の定着をさまたげる
雨季における、草本類や小型の効用植物の旺盛な成長が、植物性動物の豊かな餌を提供する
オーストラリアのサバンナで優先する草食動物はカンガルー しかし、興味深いことに、大型草食動物はサバンナの卓越した植食者ではない 砂漠
すべてのバイオームの中で、最も乾燥し、降水量は少なく変動が激しい
ある砂漠の気温はとても高く、日中の土壌表面の温度は60℃以上になり、1日の温度較差が大きい
ロッキー山脈西部の砂漠や、中国北部やモンゴル南部に広がるゴビ砂漠は比較的寒い
寒冷地砂漠の気温は-30℃以下になる
砂漠の植生は、サボテンや深く根を張る低木のような水の貯蔵能力のある植物を含む 砂漠の動植物の進化的適応は、水を貯蔵する驚くべき機構にある
たとえば、サワロサボテンの幹のひだは湿潤な季節に水を吸収するときに、貯水器官になり拡張する ある砂漠性のネズミは全く水を飲まず、食べた種子の炭水化物の代謝によって水を得ている
哺乳類や昆虫による捕食を回避する防御反応にも、砂漠の植物によく見られる
硬葉樹灌木林(チャパラル)
植生を支える気候は、沖合を循環している冷たい海流によってもたらされる
温暖で雨の多い冬、暑くて乾燥した夏に特徴づけられる
カリフォルニアの一部のような小さな海岸域に限定される
地中海性とは、このバイオームのもう1つの名称
多くの植物は、可燃性の化学物質を含み、特に枯死した茂みが多いところでは激しく燃える
山火事の後、灌木は生き残った根に蓄えた養分を利用して、急速な萌芽更新をする ある硬葉樹灌木林の植物の種子は、火事の熱を受けた後でないと発芽しない
燃えた植生の灰は無機養分で土壌を肥沃にし、植物群集の再成長を促進する
同様に、住宅も損害を受ける
南カリフォルニアの人口の集中した谷を、激しく燃える炎が駆け抜け、住民を打ちのめすこともある
温帯草原
熱帯サバンナの特徴をいくつかもっている
しかし、温帯草原は、河川沿いを除いてほとんど樹木がなく、冬の気温が比較的寒い地域に分布する
降水量は年間平均250~750mmで、干ばつが頻繁にあり、森林の成長を支えるのには少なすぎる
周期的な火事や大型草食哺乳類による捕食も、木本植物の侵入を阻害している 樹木がないと、多くの鳥は地表に営巣する
温帯草原は、かつて北アメリカの中央部のほとんどを覆っていた
草原の土壌は深く養分が豊かなので、農業にとって肥沃な土地を提供する
米国の殆どの草原は、農耕地や牧場に転用され、自然草原は今では殆ど残っていない
温帯広葉樹林
大きな樹木の成長を支えるに十分な水分がある中緯度地域に分布する
年間降水量は比較的多く、750~1500mmで1年中均等に降る
年間の気温は大きく変動し、暑い夏と寒い冬がある
気温が下がり光合成が十分できず、土壌凍結で蒸散による水分消失も補われなくなる
土壌や林床に堆積した暑い落葉層には、膨大な無脊椎動物が生育している
森林性の哺乳類の多くは、冬眠とよばれる冬季の休眠をする ある種の鳥はより温かい地域に渡る
北アメリカの原生的な温帯落葉樹林は、ほとんどすべてが森林伐採で破壊されるか、農業や開発のために切り払われた
しかし、このような森林は、撹乱の後、再生する傾向があり、潜在的な分布域であまり開発が進んでいないところでは、落葉広葉樹林が生育している 針葉樹林
地球上で最も大きな陸上バイオームで、北アメリカやアジアの北極圏の南部に広がっている北方性の針葉樹林
タイガは北アメリカ西部の山岳地帯のような、温帯の寒い高山でも見られる
長い降雪のある冬、短く湿潤で暑いときもある夏に特徴づけられる
酸性土壌で、針葉樹のリターの分解率もゆっくりなので、植物の成長にとっての栄養素は少ない 多くの針葉樹の樹形は円錐形なので、積雪で枝が折れることが少ない
太平洋からの湿った空気が、この独特なバイオームを支える
これらの森林は、過度の伐採が進み、老齢林は急速になくなっている
ツンドラ
タイガと極氷の間の広大な北極圏を覆っている
わずかな年間降水量しかない
水は、永久凍土を透過することができないので、短い夏の間、土壌の表層に溶けた雪や氷のプールができる
夏になると1年生植物が素早く成長し、一斉に開花する
移動する動物は、夏の繁殖地としてツンドラを利用する
熱帯を含むあらゆる低緯度の高山では、強風と低温によって高山ツンドラとよばれる植物群集が形成される これらは北極圏のツンドラと似ているが、永久凍土は分布しない
極氷
北極圏より高緯度の地域や南極大陸を覆っている
気温は年間を通して極めて低く、降水量はとても少ない
夏の間、僅かな地域だけ雪や氷がなくなる
極域の海洋バイオームは、鳥や哺乳類の餌を提供する
地球の気候変化によって、海氷の量や形成される期間は現象しており、オキアミの生息域は縮小している
水の循環
すべてのバイオームがたがいに水の循環によって結びついている あるバイオームの出来事は生物圏を通じて影響し合う
水と空気は太陽エネルギーによって地球上を移動する
降水量や蒸発によって、水は陸、海、大気の間を移動する
植物は土壌から吸収した水を、蒸散とよばれる過程で蒸発させる 海洋上では、蒸発量が降水量を上回る
水蒸気が雲になり、風で陸に運ばれる
陸上では、降水量が蒸発量を上回る
過剰な降水量は、河川のような地表水の流れや地下水となる
それらは最終的にすべて海に流れ込み、水の循環が完結する
水は、陸上の地形や土地利用の履歴に沿って物質を洗い流す
陸上から海への水の流れは、シルト(微小な砂)、肥料や農薬のような化学物質などを運ぶ 海岸の開発による侵食はシルトを流出させ、サンゴ礁の海を濁らせ、サンゴ礁群集にエネルギーを供給する光合成藻類の利用可能な光を減少させる
地表水の化学物質は、河川によって数百kmも流されて海に流れ込み、海流によってさらに遠くまで運ばれる
たとえば、農薬や産業排水の化学物質の痕跡は、北極の海生哺乳類や深海のタコやイカからも検出される 人間活動も様々な過程を通じて、地球上の水の循環に影響する
大気中の水の主な源は、熱帯林のような密な植生からの蒸散
熱帯林の破壊は、大気中の水蒸気の量に影響する
このことは、局所的あるいは地球規模の気象パターンを変化させる
灌漑のため大量の地下水を地表に組み上げることも水の循環に影響する
これは地表の蒸発量を増加させ、地下水の供給を減少させるだろう
バイオームへの人為インパクト
森林
地球の陸地の3/4は、数千年に及ぶ人間の活動で改変されてきた
我々が専有する土地のほとんどは農業に用いられている
あるいは、開発によるアスファルトやコンクリートで覆われている
植生の変化は、熱帯林のような最近まで人間の干渉から逃れてきた地域で、特に劇的
毎年たくさんの森林が農地のために開発されている
人口増加による食料の増産のために必要であると思うかもしれない
持続的でない農業活動は、世界中の耕地の多くを二度と使えないまでに劣化させている
研究者は森林伐採の80%がやせ衰えた農地を補充するための開発であることを試算している
森林は、木材伐採、鉱山採掘、大気汚染でも失われている
食糧生産や居住地に転用されなかった土地でさえ、人間の存在の痕跡がある
道路が未開発の地域を貫き、原生的自然に公害をもたらし、新たな病気を持ち込み、多くの種を支えるにはあまりに小さいほどバイオームを分断化している
食料、燃料、居住地のような資源を供給する土地の利用は、我々にとって明らかに有益である
しかし、自然の生態系は、人口を支えるサービスも提供する
淡水
人間活動が、淡水生態系に与えるインパクトは、陸上生態系に対する損害より、地球上の生物にとって大きな脅威になるかもしれない
淡水生態系は、大量の窒素やリン化合物で汚染され、それらは過度に施肥された農地や牧草地から流出している 産業廃棄物のようなさまざまな物質も、淡水の生育立地を汚染している
世界のいくつかの値域は、灌漑による地下水の使いすぎ、長引く干ばつ、貧弱な水管理策のため、悲惨な水不足に直面している
ネバダ州クラーク郡の人口中心地であるラスベガスは、干ばつや過度の利用で、水資源が不足しつつある都市の1例
31万9400人(1973)→162万748人(2000)
ブラジルの多雨林の写真で緑が消失したのとは対照的に、ゴルフ場や芝生への潅水のような人間活動の結果、著しく緑が拡大している
ラスベガスは、モハーベ砂漠の高い標高付近の谷に位置している
地下の帯水層から取水していたが、主な水の供給源はミード湖だけ
ミード湖はロッキー山脈の雪解け水を水源とするコロラド側によってつくられた
地球温暖化によって年間降雪量が減少するにつれて、コロラド川の水量は大きく減少した
ミード湖の水位は大幅に低下した
たとえ、水の使用を寄生しても、ラスベガスは需要を満たすために他の水源を探さなくてはならない
ラスベガスは谷の北端にある地下水に目をつけている
その地域の人口は少ないが、多くの牧場主の生活がその地下水に依存している
また、多くの絶滅危惧種の生息地でもある
ネバダは気候変化の厳しい現実が日常生活に影響を与え始めている数多くの場所の1つに過ぎない
水資源をめぐる争いは、米粉億の乾燥した西部や南西部で現実化しつつある
地球温暖化による降水量の変化は、何年もの間、干ばつが続くことを予測する
2006年に記録的な干ばつが米国の南西部を襲った
政策立案者は、現在の危機に対応しており、将来の資源の管理作について計画を練っている
研究者は持続的な農業や水利用の方法を模索している